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暗闇体験-ダイアローグ・イン・ザ・ダーク

先週末に参加してきたイベントをご紹介します。

日常生活のさまざまな環境を織り込んだまっくらな空間を聴覚や触覚など視覚以外の感覚を使って体験する、ワークショップ形式の展覧会です。

詳しくはこちら↓
ダイアローグ・イン・ザ・ダーク
http://www.dialoginthedark.com/

何にも見えない“まっくら”な空間を、視覚障害の方のアテンドで、白杖を持って歩きます。

聴覚が冴え、いろいろな音を敏感に感じることが出来、正直、ロマンチックな感じを得られるのか、と思いきや、・・・
暗闇の第一歩は、恐怖しかありませんでした。

この活動は1989年にドイツで発案、実施され、ヨーロッパを中心に70都市で開催され、100万人に近い人が体験しています。日本では、東京を中心に6回目の開催です。

ただの暗闇を体験するだけで終わらない、このイベント。
きっと、あなたに「サプライズ」が待っていますよ。
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by kanyukumari | 2004-08-09 23:16 | M-s monologe

21g  2004/06/13

今週のおすすめの1本は、誰もが必ず失う重さ、「21g」

人は死んだ時に21gだけ軽くなる。チョコレートバーの重さと同んなじ、21gって、魂の重さなの? 生きてる証の重さなの?

全く別の世界に生きていた1人の女と2人の男の運命を引き寄せたのは、ひとつの心臓だった。余命1ヵ月と宣告されて、心臓移植以外に助かる道のないポール。優しい夫と2人の幼い娘と幸せに暮らしているクリスティーナ。信仰に没頭することで、心の平静を得ようとする前科者のジャック。ある事故がきっかけで、3人の運命は出会い、重なり、よじれ、予想もしなかった結末へとたどり着くのです。

3人を演じるのは、「ミスティックリバー」でアカデミー主演男優賞をとった、ショーン・ペン、「リング」やデビッドリンチ監督の「マルホランド・ドライブ」のナオミ・ワッツ、「トラフィック」「スナッチ」のべニチオ・デル・トロの役者それぞれが、全身全霊で演じています。もうこれだけで見に行く価値あり!の豪華な競演なんですね。実はこの作品、お話の時系列がメチャメチャなんです。だから見ている人たちは最初混乱するかもしれないんですけど、それがまた彼らの精神状態を反映していて、深みにつながっています。撮影も手持ちカメラを多く使用し、役者の目の輝きひとつひとつが、リアルに迫っていきます。そういった意味でも、見ている観客は息抜きする間もないほど、物語に引きずりこまれていきます。監督は、ハリウッドが今、注目している新世代の監督の1人、メキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。彼が、この作品で描きたかったことは、矛盾と間違いだらけの多面性を持つ人間。どんな人でも、善人、悪人と単純に振り分けることはできないから、人を裁くことなく、人の弱さも強さも見せたかった。なぜなら、人間という存在の真実を明らかにするには、それしか方法がないからだ、と言っています。そうですね、私もこの矛盾だらけの人間の1人です。言ってることとやることが全然違ってたり、頭の中で考えていることと、実行が伴っていない。意図していない行動、発言が時として相手を傷つけ、悲しませることもあります。でもその中で、なんとか折り合いをつけて、自分らしく生きていこうと思っています。

前向きに生きる希望は、ほんの些細なきっかけから生まれるかもしれない、とこの映画は言っているのかも知れません。考えすぎると辛くなっちゃうけど、生きている証、・・・あなたの21gを確かめてみては、いかがですか?
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:27 | J-Cinema 04

下妻物語  2004/06/27

舞台は、茨城県・下妻。田んぼ以外に何もない、ヤンキー文化花盛りの田舎町。
青空の下、フリフリのロリータ・ファッションで闊歩する少女・竜ヶ崎桃子17歳の生きがいは、ロリータファッションで有名な BABY, THE STARS SHINE BRIGHTのお洋服。ロリータ一直線で他人を必要としない、超個人主義の桃子の前に、現れたのは、真っピンクの改造原付きに乗った地元のヤンキー、下妻最強レディース『ポニー舗爾威テール帝劉』所属、アツいヤンキー娘の、白百合イチゴ。友達になるなんて、ありえない、個性的な二人の、シニカルで、アツ~イ友情物語です。
ロリロリの桃子役に、深田恭子。アツイヤンキー姉ちゃんに、土屋アンナ。二人とも、とても良いです。私は普段テレビを見ないので、土屋アンナちゃんのことはよく知らないのですが、雑誌モデル出身で、同性である女の子に人気があるみたいですね。深田恭子ちゃんの方は以前、「阿修羅のごとく」という映画で見まして、その時も、案外堂々と演じているな、なんて思っていたのですが、今回のロリータ桃子役を、見事にこなしていました。普段お目にかかることのない、ロリータ服を堪能できますし、ヤンキー姉ちゃんたちの特攻服の刺繍にもしびれます。原作は、乙女派作家の嶽本野バラ。私、この人女性だと思っていたのですが、実は男性だったんですね~。ビックリいたしました。そして、監督は、「写るんです」や「サッポロ黒ラベル」のスローモーションCMで有名な、中原哲也。原作にほれ込んだ監督が、1ヶ月ほどで脚本を書き上げたそうです。なるほど、CMディレクターがつくった映画っぽく、いろいろ効果的に趣向をこらした場面が多かったと思います。まるで少女漫画を読んでいるような、気楽さがいいですね。あまり深く考えず、ローカルネタに、笑って欲しい作品です。
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:23 | J-Cinema 04

Day After Tomorrow 2004/06/06

今週のおすすめの1本は、全世界が凍りつくとき・・・あなたは、何処にいますか?
ローランド・エメリッヒ監督の究極のノンストップ・スペクタル感動巨編、「デイ・アフター・トゥモロー」

みなさん、ディザスター・ムービーって知ってますか?大地震、超高層ビル火災、豪華客船の転覆、さらに制御不能になったジェットコースターなどなどの「災害」ものの映画のことなんですけどね。
今回の「災害」は桁外れの破壊力を持つ「自然」です。しかも全くのフィクションではなく、近い将来、本当に起こりうる、災害・・・・地球温暖化が天候を不安定にさせ、異常気象が引き起こり、そして、阻止することが出来ない巨大な嵐が地球に襲いかかります。

古代気象学者のジャック・ホールは、地球の温暖化で北洋の海流の流れが変わり、その結果、突如として北半球が寒冷化すると地球温暖化国際会議で警告した。しかし、アメリカの副大統領は、いつ起こるかわからない災害に対し、むやみに危機感をあおったりする方が逆に危険であり、また、アメリカ経済に被害を与える京都議定書への不支持表明でも示しているように、今あるエネルギー危機に対処することが先決である、と反論。
しかし、既に危機はすぐそこまできていたのです。ジャックが予測していたレベルをはるかに超えて・・。
その兆候は突然やってくる。東京では死者2000万人を出す巨大な雹が降り、ロサンゼルスは巨大竜巻で壊滅、ニューヨークは大津波で水没、さらに爆弾のような低気圧によって、ニューヨーク、ロンドン、パリ・・と北半球の半分が豪雪に埋まり、・・・こうして地球は1万年前と同じ、氷河期が訪れます。
この途方もない災害を目の当たりにして、初めて人類は、国家間の戦争を辞め、一致団結して、この危機に対処していくのです。
人事ではない、現実の異常気象とリンクして伝える、「デイ・アフター・トゥモロー」は、大災害のCGの迫力が物凄くよくできてるよね~、と感心していられないほどの危機感を大画面いっぱいに警告しています。
明日、明後日に起こるかもしれない危機に、こんな場面を実際のニュース映像、自分の目で見たくないためにも、今からでも、私たちに出来ることがあります。一人一人が、私たちが住んでいる地球に関心を持って、行動すること。人同士・国同士で争っている場合じゃないんだよ!ってことです。皆さんに見てもらいたい映画ですが、特にこの人、ブッシュ大統領に是非プレッツエル食べながら見てもらいたいですね。きっとまた、喉に詰まらせちゃうかもしれませんね。
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:19 | J-Cinema 04

Lost in Translation 2004/05/23

Jumble Cinemaがお届けする今週見るならこの1本は、Tokyoを舞台にした二人のふれあい物語、ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」

ハリウッドスター、ボブ・ハリスは、サントリー・ウィスキーのCM撮影のために来日。ネオン輝く東京の街並みを眺めながら、宿泊先のホテルへ向っている。ホテル先では、エージェンシーやCM撮影スタッフが出迎えているが、早々に挨拶を切り上げ、丁寧な挨拶をするホテルのスタッフたちを通り抜け、1人隔離されたような無音の空間の部屋で腰を下ろす。冴えない、疲れた表情のボブ。途端に、アメリカの妻から、息子の誕生日に不在であることを責めるFAXが届く。さらに気が落ち込むボブ。17時間の時差ボケもあり、なかなか眠ることが出来ない彼。
フォトグラファーの夫に同行して東京にやってきた、シャーロット。大学卒業と同時に結婚、2年も経っていない若妻である彼女。夫は日本のミュージシャンのプロモーションビデオの撮影で、短い滞在期間での過酷なスケジュールでの仕事に追われ、彼女はほとんど1人で放っておかれていた。仕事に疲れて熟睡する夫の横で、彼女も眠れぬ夜を過ごしていた。
ボブとシャーロットは、ホテルのバーで何回かお互いを見かけ、声をかけはじめる・・・なぜ東京に?・・・・・・CM料200万ドルが欲しいからさ。とボブ。  ヒマだから夫についてきたの・・とシャーロット。
積極的に自分のことを話す性格の二人ではないのだが、何回か会って話していくうちに、お互いの心の隙間や悩みを打ち明けるようになっていく。そして、シャーロットは自分の日本の友人たちとのパーティにボブを誘う。ネオンと喧騒が引きめくTOKYOで、カタコトの英語を話す日本の若者たちとクラブにカラオケに・・と羽目をはずして遊ぶボブとシャーロット。遊びつかれた二人はやっと東京でぐっすり眠ることができるのであった・・。

この映画は、舞台が東京、ということもあって、公開前からずいぶん話題になっていた作品です。監督のソフィア・コッポラは、あのフランシス・フォード・コッポラ監督の娘であります。ソフィアが何日か日本に滞在したときに見たこと、感じたこと、がこの作品の中にいっぱい組み込まれています。私たちが普段生活している東京の風景、ビガビガのネオン、蠢く人ごみ・・などを、外国人の目を通して見ることが出来ます。複線として、ボブのCM撮影に関するサブ・ストーリーがあるのですが、エージェンシーや日本人スタッフ、通訳との意思疎通、考え方の違いに苦労するところなど、苦笑いできるところもあります。
しかし、メインストーリーは、異国の都会で不安と孤独を感じる二人が、出会い、心のままに、自然に打ち解けていき、忘れられない時間を過ごしていくところにあります。ボブ役の、ボブ・マーレーが、時にはシニカルに、時にはコミカルに、シャーロット役のスカーレット・ヨハンソンは、日本の女子大生のような感じで、初々しく、とっても二人とも良かったです。

さて、この映画ではボブが奥さんとの関係に悩んでいるときに出てきた、セリフのひとつに、「Mid-Life Crisis」(中年の危機)というワードがあるんですけど。ここ、最近のアメリカ映画でよく出てくるワードなんですよ。「恋愛適齢期」「ハリウッド的殺人事件」などでもでてきてましたね~。この「Mid-Life Crisis」とは、中年になって精神的にも肉体的にも衰えを感じた時に起きる症状のことを言って、「アメリカでは4人に1人がこの危機に直面しているそうです。上手に熟年になりきれないケースに男女差はなく、対応を間違えると積み上げてきた人生を失うことにもなりかねない」状況に陥っている、らしいのです。自分の中では、いつまでも若くありたいという願望があって、でも現実との落差を解消できず、どうしていいか分からなくなって、毎日の生活に混乱を来たしたり、自分を見失ったりします。自分の人生が、なぜだかつまらないものに思えてきて、「このままでいいのか?」と焦ったり、毎日憂鬱になったりします。女性は、シミやシワ、白髪など外観を気にするようになり、成形外科や皮膚科に通い始める傾向にあり、男性では、若い女性との浮気に走ったり、逆に肉体的・精神的ストレスからED(勃起不全)の症状を起す人、さらに最近は、男性の更年期障害が取り上げられていますが、これらも「Mid-Life Crisis」の症状の一つといわれているそうです。とにかく、これは、いずれやってくる老いを、なんとか忘れたい、避けたいというあせりや逃避から生じる行動・・ということで、誰にでもやってくるとはいえ、「老い」を受け入れる心のゆとりを持つには時間がかかる・・ということなんでしょうね・・。

まぁ、中年の方も、もちろん若い人にも、心の隙間を埋めてくれる「ロスト・イン・トランスレーション」は、ただ今、上映中です。
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:15 | J-Cinema 04