カテゴリ:J-Cinema 04( 15 )

ハウルの動く城~Howl's Moving Castle~1121

宮崎監督のイマジネーションの世界というのは本当に卓越していて毎回見るものを圧倒させるパワーをもっているのですが、そういう意味では今回の「ハウル」、まさに宮崎ワールドであり、宮崎監督でしか描けない世界が楽しめます。児童文学の原作に、魔女・魔法・・とくれば、宮崎ファンは勝手に「魔女の宅急便」を連想し、夢広がるストーリーを期待してしまうのですが、今回のハウルは、どうも素直にそうなってはくれないようです。
ファンタジーの力で様々な思いを表現してきた宮崎監督ですが、特に「もののけ」「千と千尋」などは、警告に近いくらいの自分の現代社会に対する「思い」を盛り込んできています。気持ちはとってもよく解るし、その思いを私たち見ている側は難しい思いをせず、子どもから大人まで楽しめるエンタテイメント作品になっているから、みんな彼の作品が好きで、見たいと思っているんじゃないのかな。今回の「ハウル」も、たぶん出発点は従来の作品と同じスタンスだったと思います。今回のテーマは「戦争」です。あるレビューには、「宮崎版アフター9.11」なんて書かれているくらい、この「ハウルの動く城」には宮崎監督の「戦争」に対する怒りが溢れています。たぶん現実問題がめまぐるしいスピードで悪化し続けていたせいもあると思うのですが・・・・、そちらの比重が大きくって、お~い、肝心のお話は何処にいっちゃったのぉ~(TT)・・・
主力のお話がちゃんと成立してこそ、メッセージが伝わるんだと思うのですよね。確かにこの物語にはとても良いメッセージがたくさん出てきます。でもそのメッセージをもっと深く知るには・・・どうやら2時間では時間が足りなかったのかな・・? お話の伏線が少なく、展開があまりにも唐突で、え?何?と思うこともシバシバ・・。
な~んて、いつになく辛口コメントです。好きな監督さんだけに、大好きな作品も多いだけに期待も大きいんですよね~。2時間の枠に凝縮しないで、ハリポタや未来少年コナンのようなシリーズで見続けたいなぁ~って正直思っちゃいました。今からでも遅くないから、エンディングやり直してシリーズ化しないかな・・・? 
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by kanyukumari | 2004-11-22 01:21 | J-Cinema 04

21g  2004/06/13

今週のおすすめの1本は、誰もが必ず失う重さ、「21g」

人は死んだ時に21gだけ軽くなる。チョコレートバーの重さと同んなじ、21gって、魂の重さなの? 生きてる証の重さなの?

全く別の世界に生きていた1人の女と2人の男の運命を引き寄せたのは、ひとつの心臓だった。余命1ヵ月と宣告されて、心臓移植以外に助かる道のないポール。優しい夫と2人の幼い娘と幸せに暮らしているクリスティーナ。信仰に没頭することで、心の平静を得ようとする前科者のジャック。ある事故がきっかけで、3人の運命は出会い、重なり、よじれ、予想もしなかった結末へとたどり着くのです。

3人を演じるのは、「ミスティックリバー」でアカデミー主演男優賞をとった、ショーン・ペン、「リング」やデビッドリンチ監督の「マルホランド・ドライブ」のナオミ・ワッツ、「トラフィック」「スナッチ」のべニチオ・デル・トロの役者それぞれが、全身全霊で演じています。もうこれだけで見に行く価値あり!の豪華な競演なんですね。実はこの作品、お話の時系列がメチャメチャなんです。だから見ている人たちは最初混乱するかもしれないんですけど、それがまた彼らの精神状態を反映していて、深みにつながっています。撮影も手持ちカメラを多く使用し、役者の目の輝きひとつひとつが、リアルに迫っていきます。そういった意味でも、見ている観客は息抜きする間もないほど、物語に引きずりこまれていきます。監督は、ハリウッドが今、注目している新世代の監督の1人、メキシコのアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ。彼が、この作品で描きたかったことは、矛盾と間違いだらけの多面性を持つ人間。どんな人でも、善人、悪人と単純に振り分けることはできないから、人を裁くことなく、人の弱さも強さも見せたかった。なぜなら、人間という存在の真実を明らかにするには、それしか方法がないからだ、と言っています。そうですね、私もこの矛盾だらけの人間の1人です。言ってることとやることが全然違ってたり、頭の中で考えていることと、実行が伴っていない。意図していない行動、発言が時として相手を傷つけ、悲しませることもあります。でもその中で、なんとか折り合いをつけて、自分らしく生きていこうと思っています。

前向きに生きる希望は、ほんの些細なきっかけから生まれるかもしれない、とこの映画は言っているのかも知れません。考えすぎると辛くなっちゃうけど、生きている証、・・・あなたの21gを確かめてみては、いかがですか?
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:27 | J-Cinema 04

下妻物語  2004/06/27

舞台は、茨城県・下妻。田んぼ以外に何もない、ヤンキー文化花盛りの田舎町。
青空の下、フリフリのロリータ・ファッションで闊歩する少女・竜ヶ崎桃子17歳の生きがいは、ロリータファッションで有名な BABY, THE STARS SHINE BRIGHTのお洋服。ロリータ一直線で他人を必要としない、超個人主義の桃子の前に、現れたのは、真っピンクの改造原付きに乗った地元のヤンキー、下妻最強レディース『ポニー舗爾威テール帝劉』所属、アツいヤンキー娘の、白百合イチゴ。友達になるなんて、ありえない、個性的な二人の、シニカルで、アツ~イ友情物語です。
ロリロリの桃子役に、深田恭子。アツイヤンキー姉ちゃんに、土屋アンナ。二人とも、とても良いです。私は普段テレビを見ないので、土屋アンナちゃんのことはよく知らないのですが、雑誌モデル出身で、同性である女の子に人気があるみたいですね。深田恭子ちゃんの方は以前、「阿修羅のごとく」という映画で見まして、その時も、案外堂々と演じているな、なんて思っていたのですが、今回のロリータ桃子役を、見事にこなしていました。普段お目にかかることのない、ロリータ服を堪能できますし、ヤンキー姉ちゃんたちの特攻服の刺繍にもしびれます。原作は、乙女派作家の嶽本野バラ。私、この人女性だと思っていたのですが、実は男性だったんですね~。ビックリいたしました。そして、監督は、「写るんです」や「サッポロ黒ラベル」のスローモーションCMで有名な、中原哲也。原作にほれ込んだ監督が、1ヶ月ほどで脚本を書き上げたそうです。なるほど、CMディレクターがつくった映画っぽく、いろいろ効果的に趣向をこらした場面が多かったと思います。まるで少女漫画を読んでいるような、気楽さがいいですね。あまり深く考えず、ローカルネタに、笑って欲しい作品です。
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:23 | J-Cinema 04

Day After Tomorrow 2004/06/06

今週のおすすめの1本は、全世界が凍りつくとき・・・あなたは、何処にいますか?
ローランド・エメリッヒ監督の究極のノンストップ・スペクタル感動巨編、「デイ・アフター・トゥモロー」

みなさん、ディザスター・ムービーって知ってますか?大地震、超高層ビル火災、豪華客船の転覆、さらに制御不能になったジェットコースターなどなどの「災害」ものの映画のことなんですけどね。
今回の「災害」は桁外れの破壊力を持つ「自然」です。しかも全くのフィクションではなく、近い将来、本当に起こりうる、災害・・・・地球温暖化が天候を不安定にさせ、異常気象が引き起こり、そして、阻止することが出来ない巨大な嵐が地球に襲いかかります。

古代気象学者のジャック・ホールは、地球の温暖化で北洋の海流の流れが変わり、その結果、突如として北半球が寒冷化すると地球温暖化国際会議で警告した。しかし、アメリカの副大統領は、いつ起こるかわからない災害に対し、むやみに危機感をあおったりする方が逆に危険であり、また、アメリカ経済に被害を与える京都議定書への不支持表明でも示しているように、今あるエネルギー危機に対処することが先決である、と反論。
しかし、既に危機はすぐそこまできていたのです。ジャックが予測していたレベルをはるかに超えて・・。
その兆候は突然やってくる。東京では死者2000万人を出す巨大な雹が降り、ロサンゼルスは巨大竜巻で壊滅、ニューヨークは大津波で水没、さらに爆弾のような低気圧によって、ニューヨーク、ロンドン、パリ・・と北半球の半分が豪雪に埋まり、・・・こうして地球は1万年前と同じ、氷河期が訪れます。
この途方もない災害を目の当たりにして、初めて人類は、国家間の戦争を辞め、一致団結して、この危機に対処していくのです。
人事ではない、現実の異常気象とリンクして伝える、「デイ・アフター・トゥモロー」は、大災害のCGの迫力が物凄くよくできてるよね~、と感心していられないほどの危機感を大画面いっぱいに警告しています。
明日、明後日に起こるかもしれない危機に、こんな場面を実際のニュース映像、自分の目で見たくないためにも、今からでも、私たちに出来ることがあります。一人一人が、私たちが住んでいる地球に関心を持って、行動すること。人同士・国同士で争っている場合じゃないんだよ!ってことです。皆さんに見てもらいたい映画ですが、特にこの人、ブッシュ大統領に是非プレッツエル食べながら見てもらいたいですね。きっとまた、喉に詰まらせちゃうかもしれませんね。
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:19 | J-Cinema 04

Lost in Translation 2004/05/23

Jumble Cinemaがお届けする今週見るならこの1本は、Tokyoを舞台にした二人のふれあい物語、ソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」

ハリウッドスター、ボブ・ハリスは、サントリー・ウィスキーのCM撮影のために来日。ネオン輝く東京の街並みを眺めながら、宿泊先のホテルへ向っている。ホテル先では、エージェンシーやCM撮影スタッフが出迎えているが、早々に挨拶を切り上げ、丁寧な挨拶をするホテルのスタッフたちを通り抜け、1人隔離されたような無音の空間の部屋で腰を下ろす。冴えない、疲れた表情のボブ。途端に、アメリカの妻から、息子の誕生日に不在であることを責めるFAXが届く。さらに気が落ち込むボブ。17時間の時差ボケもあり、なかなか眠ることが出来ない彼。
フォトグラファーの夫に同行して東京にやってきた、シャーロット。大学卒業と同時に結婚、2年も経っていない若妻である彼女。夫は日本のミュージシャンのプロモーションビデオの撮影で、短い滞在期間での過酷なスケジュールでの仕事に追われ、彼女はほとんど1人で放っておかれていた。仕事に疲れて熟睡する夫の横で、彼女も眠れぬ夜を過ごしていた。
ボブとシャーロットは、ホテルのバーで何回かお互いを見かけ、声をかけはじめる・・・なぜ東京に?・・・・・・CM料200万ドルが欲しいからさ。とボブ。  ヒマだから夫についてきたの・・とシャーロット。
積極的に自分のことを話す性格の二人ではないのだが、何回か会って話していくうちに、お互いの心の隙間や悩みを打ち明けるようになっていく。そして、シャーロットは自分の日本の友人たちとのパーティにボブを誘う。ネオンと喧騒が引きめくTOKYOで、カタコトの英語を話す日本の若者たちとクラブにカラオケに・・と羽目をはずして遊ぶボブとシャーロット。遊びつかれた二人はやっと東京でぐっすり眠ることができるのであった・・。

この映画は、舞台が東京、ということもあって、公開前からずいぶん話題になっていた作品です。監督のソフィア・コッポラは、あのフランシス・フォード・コッポラ監督の娘であります。ソフィアが何日か日本に滞在したときに見たこと、感じたこと、がこの作品の中にいっぱい組み込まれています。私たちが普段生活している東京の風景、ビガビガのネオン、蠢く人ごみ・・などを、外国人の目を通して見ることが出来ます。複線として、ボブのCM撮影に関するサブ・ストーリーがあるのですが、エージェンシーや日本人スタッフ、通訳との意思疎通、考え方の違いに苦労するところなど、苦笑いできるところもあります。
しかし、メインストーリーは、異国の都会で不安と孤独を感じる二人が、出会い、心のままに、自然に打ち解けていき、忘れられない時間を過ごしていくところにあります。ボブ役の、ボブ・マーレーが、時にはシニカルに、時にはコミカルに、シャーロット役のスカーレット・ヨハンソンは、日本の女子大生のような感じで、初々しく、とっても二人とも良かったです。

さて、この映画ではボブが奥さんとの関係に悩んでいるときに出てきた、セリフのひとつに、「Mid-Life Crisis」(中年の危機)というワードがあるんですけど。ここ、最近のアメリカ映画でよく出てくるワードなんですよ。「恋愛適齢期」「ハリウッド的殺人事件」などでもでてきてましたね~。この「Mid-Life Crisis」とは、中年になって精神的にも肉体的にも衰えを感じた時に起きる症状のことを言って、「アメリカでは4人に1人がこの危機に直面しているそうです。上手に熟年になりきれないケースに男女差はなく、対応を間違えると積み上げてきた人生を失うことにもなりかねない」状況に陥っている、らしいのです。自分の中では、いつまでも若くありたいという願望があって、でも現実との落差を解消できず、どうしていいか分からなくなって、毎日の生活に混乱を来たしたり、自分を見失ったりします。自分の人生が、なぜだかつまらないものに思えてきて、「このままでいいのか?」と焦ったり、毎日憂鬱になったりします。女性は、シミやシワ、白髪など外観を気にするようになり、成形外科や皮膚科に通い始める傾向にあり、男性では、若い女性との浮気に走ったり、逆に肉体的・精神的ストレスからED(勃起不全)の症状を起す人、さらに最近は、男性の更年期障害が取り上げられていますが、これらも「Mid-Life Crisis」の症状の一つといわれているそうです。とにかく、これは、いずれやってくる老いを、なんとか忘れたい、避けたいというあせりや逃避から生じる行動・・ということで、誰にでもやってくるとはいえ、「老い」を受け入れる心のゆとりを持つには時間がかかる・・ということなんでしょうね・・。

まぁ、中年の方も、もちろん若い人にも、心の隙間を埋めてくれる「ロスト・イン・トランスレーション」は、ただ今、上映中です。
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by kanyukumari | 2004-08-02 22:15 | J-Cinema 04

Big Fish 2004/05/16

Hi, everybody welcome to the fantastic cinema world! Jumble Cinema にようこそ!ナビゲーターは、映画大好きのマリです。今週私は、初めての体験をしてきました。先輩からのヘルプだったんですけど、老人ホームで、「ふれあい喫茶」という喫茶店を出して、1杯50円でコーヒー・紅茶などをサービスするボランティアをしてきました。中目黒にある特養老人ホーム「さくらえん」という場所だったんですけど、特別養護ということで、在宅での生活が困難な状態にあり、常時介護を必要なお年寄りが対象になっているので、喫茶室に来られる方はまだお元気な方でして、それでも、何を飲みたいのか聞き出すだけでも大変で・・・、でも場所柄なのか、品のあるおばあさんやおじいさんが多くて、103歳のおばあさんは、とってもお洒落で、素敵なスカーフを巻いていますね、と声をかけたら、とたんにニコっと笑って嬉しそうにしていました。このおばあさんはとてもお元気で、ココアを注文されたんですけど、一緒に出したおせんべいをバリバリ食べてました。103歳ですよ!本当にビックリでしたよ。私は到底その年までは生きていないと思うけど、何時までも粋な、まりばあちゃんでいたいなぁと思いましたけどね。
ボランティアというのもなかなかやりたくても出来ないものです。この機会をこれからも大いに楽しみたいと思ってます。でも、人手が足りないみたいなんですよ~。さて、そんな、まりちゃんのJumble Cinemaがお届けする「今週見るならこの1本」は、ティム・バートンワールド満載の、「Big Fish」です。

あなたは普段、お父さんとどんな話をしていますか? 今までにお父さんからどんな話を聞いてきましたか? あなたはお父さんから、お父さんの生きてきた人生を聞いたことがありますか? 例えば、お母さんへのプロポーズの話だとか、あなたが生まれた時の話とか・・・。

エドワードが語る、彼の人生ストーリーは、まさに、お伽話。大きな人間になる運命だった彼はいろんな国へ行って、いろんな不思議な人たちと出会い、運命的な恋をする。そのひとつひとつの話が、奇想天外なストーリーであるがために、人々は夢中になって彼の話を聞き、彼の話を愛していました・・・ただ、ひとり、彼の息子のウィルを除いては。もちろん、ウィルは子供の頃から毎晩のように聞かされてきた父の物語の最初のファンであった訳なのですが、全ての話があまりにも現実離れしているため、彼は次第に、父親は本当のことを話さない、嘘つき親父だと思うようになります。ある口論をきっかけに、全く直接口を交わさなくなった父と息子。ジャーナリストと生長しフランスで働いているウィルの元に、父エドワードの死期が近い、という母からの電話が入り、ウィルは、妻とともにアメリカの両親の家に戻ります。そして、彼は父と、父が話すお伽話と、もう一度正面向いて付き合うことになるのです・・・。
この映画は、監督ティム・バートンお得意の奇想天外・摩訶不思議がいっぱい詰まったファンタジーであるとともに、愛、夢、家族の絆の大切さを伝える人生ドラマです。エドワードが話すお伽話に出てくる、若き日のエドワード役に、ユアン・マクレガー。年をとってからのエドワード役にはアルバート・フィニーが演じています。ある雑誌で、若い時のアルバート・フィニーとユアン・マクレガーがよく似ている、という記事がきっかけで、実現したのがこのキャスティングだそうです。実際よく似ています。たぶん、ユアンが年をとったらアルバートみたいになるんじゃないかな・・と思いますよ。
ティム・バートン、と言えば、私も大好きな監督なんですけど、最近では「サルの惑星~プラネット・オブ・ジ・エイプス」になっちゃうのかな?でも、はさみの指を持つ少年の切ないドラマのシザーハンズや、アニメのナイト・ビフォー・クリスマス、スリーピーホローなどといった、独創的な摩訶不思議ファンタジーがウリなんですけど、この作品でもそんなティムの世界が思いっきり楽しめます。しかし、ただのファンタジーで終わらない、強いドラマを持つ、この作品。特に後半は父と息子のドラマに引き込まれ、気がつくと涙でグショグショになっていました。見終わった後もなかなか涙が止まらず、実は、帰りの電車の中でも泣いてしまったくらい・・私も父を亡くしているので、本当に胸がいっぱいになってしまいました。

家族のこと、両親のこと、愛する人のことの大切さを教えてくれる、ファンタジードラマ、「ビッグフィッシュ」は、ただ今、上映中です。大きなスクリーンで、心を洗われちゃってください。
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by kanyukumari | 2004-07-31 02:54 | J-Cinema 04

ニューオリンズ・トライアル 2004/02/08

ジーン・ハックマン、ダスティ・ホフマンの初共演で話題になってる、この作品。原作は、リーガル・サスペンスの巨匠、本人も弁護士の、J.グリシャムの、法廷裁判モノです。ニュー・オリンズの証券会社で起こった、銃乱射事件。犯人は11人を無差別に射殺したあげくに、自殺。その2年後、犠牲者の未亡人が犯行に使われた銃の製造と販売をめぐり、訴訟を起こします。この映画は、この審判「トライヤル」の表と裏で繰り広げるスリリングな頭脳線を熱く描いています。アメリカの裁判制度で、特徴的な「陪審制」。よく、映画にもでてきますよね。表立っては出来ないものの、この選ばれた陪審員たちを手玉に取り、評決を操作する「陪審コンサルタント」というビジネスが存在するんです。そこにあるのは、「金」「ビジネス」であって、「正義の裁き」なんてへったくりもありません。ジーン・ハックマン演ずる、その頂点に君臨する「陪審コンサルタント」ランキン・フィッチが、勝つためにはどんな手段も厭わないやり口で、この訴訟を潰そうとします。そこに対抗するのは数々の企業を相手取り、訴訟を勝ち取ってきたベテラン弁護士、ウェンドール・ローア。ダスティン・ホフマンが演ずることで、ステレオタイプのベテラン弁護士から一転、正義とモラルを尊ぶプロフェッショナルな気風を漂わせます。しかし、フィッチの裏工作に不利な立場に立たされたローアは、評決を金で買う誘惑に駆られるのです・・。実はこの映画、闘いに参戦するのはこの2人だけではないのです。むしろこの2人をも翻弄する、まさに主人公と言えるのが、ジョン・キュ-ザック演ずる、陪審員番号9番のニック・イースター。なにか意図があってこの陪審団にもぐりこんだニック。そして、このニックの背後では、謎の女マーリーが動き出す・・。とにかく、プロットが素晴らしいせいか、この難しい法廷頭脳戦を飽きることなく最後まで見ている私たちを釘付けにします。銃社会と訴訟問題、とアメリカを象徴する2つの問題に鋭く切り込むだけでなく、人間本来の持つ、愛とは?正義とは?を考えさせられる映画です。

え~、ここで、唐突に、今回から新たにコーナーを設けちゃいますが、私が声を大にしてお願いしたい、「ここだけは見逃して欲しくない、Remarkable Scene~!」なんですが、今回は、ラストシーンで見せる、J.キューザックのまなざしです。今回、思惑をひた隠しに演ずる彼が見せる様々な表情は、どれもこの映画のキーになるのですが、単なる法廷映画で終わらせない余韻を、最後の彼のまなざしで感じることが出来ます。前から好きな役者さんでしたけど、このシーンには、やられちゃいましたね~。私の今年の注目すべき、俳優さんの1人になるのは、まちがいないですね。「
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by kanyukumari | 2004-07-29 01:42 | J-Cinema 04

School of ROCK  2004/05/09

さてさてJumble Cinemaがお届けする「今週見るならこの1本」は、日本の学校教育にも波紋を広げる・・かもしれない、ジャック・ブラック主演のROCK魂炸裂学園ムービー、「SCHOOL OF ROCK」

デューイは売れないロックバンドのギタリスト。彼の夢はライブ中、盛り上がる観客の中にダイブして、みんなに受け止めてもらうこと。しかし彼が飛び込んでも、客に避けられ、会場に落ちてしまう・・・というのが現実。ビッグスターを夢見るが、その思いとは裏腹にバンドも首にされ、居候しているアパートからも家賃未納で追い出される寸前状態。
そこで、彼はアパートの主で、学校の代用教員をしている友人ネッドの名をかたり、名門の私立小学校の教師として潜り込むことにしたのです。といっても、報酬さえ受け取ればいいだけで、頭の中はROCKしかない彼は、初めから子供たちを教える気など全くなし。ところが、このクラスの子供たちは、類まれなる音楽の才能の持ち主が集まったエリート集団だったのです。そのことを知った彼は、生徒たちとバンドを組んでロックフェスティバルに出場し、賞金を手に入れる、という凄まじいヒラメキを思い立ち、その日から教室にエレキギター、ドラム、キーボードを持ち込み、学校・親には内緒の秘密の熱血特別授業を始めるのです!

と、なんともハチャメチャな状況設定ではありますが、まぁ、しのごの言わずに、とにかく見て、笑ってください!というのがこの映画です。今まで、ROCKやバンド・アーティストをモチーフにしてした映画は数あれど、「ロックの本質は基本的に反体制・反抗である」という骨太なROCK的思想をこうストレートに表している作品は少ないんじゃないかと思います。音楽の才能を持つ生徒たちは、いわゆるクラシック音楽畑で育ってきた優秀児ばかり。レッド・ツェッペリンやジミヘンの名前を当然知らない彼らを前に、デューイ先生はROCKの演奏技法を教えるだけでなく、ROCKが生まれた背景、ROCKの概念、そして歴史・・・と、本当に学校さながらの授業をやっちゃうわけです。出世街道まっしぐらのエリート小学校で、学校や親という権力への反抗心から教えはじめるデューイ先生。多感な生徒たちはこのメチャクチャな先生のとりこになっていきます。
とにかく、細かいことは抜きにして、ROCK馬鹿な男にインスパイアされていく子供たちを見るのはとても楽しいです。デューイが初めて生徒に楽器を持たせ、演奏を教えるシーンは、もう最高。バンド活動をしたことある人には涙でちゃうくらい、大ウケ間違いなし。彼らの教材になる曲たちも素晴らしく、ディープ・パープル、レッド・ツェッペリン、ブラック・サバス、ドアーズと・・・と名曲ばかり。

本当に最初から最後まで笑えます。楽しめます。ぜひ、大笑いしてもらいたい作品です~。いかがですか?
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by kanyukumari | 2004-07-27 01:59 | J-Cinema 04

Kill Bill vol.2  2004/05/02

♪花よ、きれいとおだてられ、咲いてみせれば、すぐじらされる~、バカな、バカな女の恨み~ブシ~♪・・・・
と、ついつい、歌ってしまいました。1回やってみたかったんですよね・・申し訳ありません! これは、梶メイコの、女サソリシリーズの名曲、恨み節なんですけどね・・前回のVol.1、そして今回のVol.2でもエンディングロールでかかっている、この曲が歌ってるとおり、キルビルは、女の恨み炸裂の復讐劇です。しかも美しい花嫁の復讐・・vol.1では日本を舞台にして、ルーシー・リュー演ずる女ヤクザのボスをやっつけた、ユマ・サーマンこと、花嫁ブライド。Vol.2では、その復讐の謎が解き明かされ、中国、メキシコ、そしてアメリカと、キルビルワールドは拡大していきます。前回、Vol.1の時に私は、この映画はタランティーノの殺戮というアトラクション満載のテーマパークです!って紹介しまして、ディズニーランドでは飽き足らず、続けてディズニーシーも建設予定です、なんて言ったんですけど、・・我ながら上手いこと言うな、なんて思っていたわけなのですが、このVol.2は、アトラクション満載のVol.1に比べて、世界観を丸ごと楽しめる大人向けのテーマパーク・・・ディズニーシーなんですよ、本当に。日本映画のオマージュが多かったVol.1でしたが今回は、香港活劇カンフー映画の要素がたっぷり楽しめますよ。
復讐の謎解きが明かされていくんですけど、映画的にはこの謎はあまり重要ではないような気がします。それよりも、復讐劇のバカバカしいまでの凄まじさ、圧倒感を思いっきり体験してほしいですね。今回の見どころのひとつでもある、ユマ・サーマンとダリル・ハンナのトレーナーの中での死闘シーンなんですけど・・必見ですね。もうスゴイ・・としか言いようがない。ダリル・ハンナって決して演技が上手な役者じゃないんですよ・・でもそんな彼女をタランティーノだと、こうも上手に使えるんだって感心してしまいましたね。最初、このシーンは屋外で戦う設定だったらしいのですが、タランティーノはMTVの「ジャック・アス・ザ・ムービー」を見て、急遽狭いトレーナーの中での滅茶苦茶なバトルシーンに変更を決めたそうです。それからタランティーノといえば、自身が作品に出演することも多い監督なんですけど、今回は出演していません。主人公ブライドはユマ・サーマンとのコラボレーションで生まれたキャラクターだそうですけど、もうタランティーノそのものですからね。本人出てこなくても十分、本人を見たって気になります。1本の映画として作り始めたこの2作品、最終的には2本分以上の素材がたっぷり残り、いくつものバージョン違いが存在するそうです。暴力場面に厳しいアメリカのレーティング対策でもあるようですが、日本で公開されているのは、タランティーノが敬愛する深作欣二監督に捧げるため、バイオレンス度が高い特別編だそうです。キルビルワールドは2本見ないと、その凄さ、良さは解りません。
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by kanyukumari | 2004-07-27 01:57 | J-Cinema 04

Cold Mountain  2004/04/25

南北戦争末期の1864年。ヴァージニア州の戦場で戦っていた南軍の兵士インマンは、瀕死の重傷を負い、病院へ収容された。従軍して3年になるインマンにとって、故郷コールドマウンテンと、彼の帰りを待ち続ける恋人エイダだけが心の支えだった。そして、病院でエイダからの手紙を受け取ったインマンは、ついに死罪を覚悟で脱走を図り故郷へ向かって歩み出す。一方その頃、インマンの帰りをひたすら待ち続けていたエイダは愛する父の急死という悲劇に見舞われていた。一人では何も出来ない彼女は途方に暮れるばかりだった。しかし、やがて彼女は流れ者の女ルビーに助けられ、2人は次第に友情を育んでいった…。


というお話のなですが・・。監督は「イングリッシュ・ペイシェント」「リプリー」の、アンソニー・ミンゲロ。南北戦争がモチーフになっている映画は結構ありますが、やはり開拓時代から近代のアメリカへ変えた、アメリカの歴史の中で、避けて通れないこの大きな内戦が、映画の舞台であり主軸です。この映画は、たった一度の口づけで、互いの愛を信じ通した恋人たちの物語ですが、その背景にある、戦争のむごさが及ぼす影響や、混沌・悲劇に見舞われる家族や友情の物語でもあります。男は、激しい恋に揺れ動き、恋人が待つ故郷へ帰る。しかしその道のりは険しく、数々の試練が待ち受ける。その中で自分の中に沸き起こる、傲慢さ、勇気、虚栄心、愛するものへの一途な想いが試されていきます。一方、特権階級のお嬢様だった女は、愛するものを待つことで、戦争から生き延び、自然に中で暮らす術を見につけ、たくましい女性へと成長していく。
お嬢様エイダを助けたのが、縁もゆかりもない流れ者の女、ルビー。生きる術を知らないエイダと、自然児ルビーは、友情を育み、共に厳しい生活を生きていきます。
・・と、この映画にはたくさんのテーマが盛り込まれているんだけど、たぶん、この映画を見てまず最初に思うことは、「戦争の大儀、意味って何?」だと思います。そんなものとは関係ない人たちが否応なく巻き込まれ、滅茶苦茶、ズタズタにされていく。守るもののために行われる「正義」の真価を、・・・正義のために人が殺されていく矛盾。 正義って何よ?って考えさせられますね・・。
それから、私個人的には、人を愛する、いとおしいと思う「想い」が表面的ではなく、内側の部分までもが強烈に感じることができ・・・、あー、私もオトナになったなぁ・・なんて、全然違う感動もあったりしました。

ひとりひとり見終わった感想は違うと思いますが、いろいろなテーマがあり、感慨ぶかい、静かだけど強烈な、恋愛物語。今、この世界状況だからこそ、見て欲しい作品です。
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by kanyukumari | 2004-07-27 01:54 | J-Cinema 04