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2006年11月~12月までの映画2言、3言レビュー☆彡

2006年11月からは、今までの遅れを取り返すかのように、結構観たなぁ~。

相変わらず遅いレビューですが、内容は結構濃い???目ですので、観賞の参考にしていただければ幸いです。




虹の女神 Rainbow Song
2006年 日本 118分
監督:熊澤尚人
主演:市原隼人、上野樹理、蒼井優、他

岩井俊二が自身の作品以外で初のプロデューサーを務めた作品。岩井作品って、馴染みがないんですけど、(仕事でちょこっと「花とアリス」は携わりましたが・・)まぁ、プロデュースですから、そんなに岩井ワールドっていう作品じゃないんだと思います。
学生時代から友達付き合いをず~っと続けている智也とあおい。互いに惹かれあっていながら友達の域を越えられず、時が二人を結びつけてくれるのかと思っていたら、待っていたのは悲劇の結末。失ってはじめてわかる愛しい人への想いを描く哀しい物語です。
邦画は全般的にいつも期待をして観ないのですが、観終わったら、そんなに悪くないなって感想です。「ハチクロ」とか、ちょっと昔だけど広末涼子主演の「恋愛写真」のように、等身大の学生生活と、等身大の恋愛・友情が描かれていて、学生生活をクラブ、サークル活動や同好会で楽しく過ごした人たちとっては懐かしく、今、現役の学生ライフを過ごしている人たちにとっては自分事のように観て感じるんじゃないでしょうか? 
この物語の主人公のあおいは映画監督を志望し、学生時代は映画作りに没頭し、映像製作会社に入社後も自分の夢に向かって成長するため、渡米を決意します。表向きは前向きで元気一杯に振舞っているけど、実は胸の内を素直に告白できないシャイな一面も持つ。渡米の決意も半分は恐くてたまらない心境だったと思う。そんな女の子の気持ちがよく描けているなぁ・・って思える作品です。種ともこの曲を久々に聞きました。いいですね。
おすすめ度★★★☆☆





カポーティ
2005年 アメリカ 114分
監督:ベネット・ミラー
主演:フィリップ・シーモア・ホフマン、キャサリン・キーナー、クリフトン・コリンズ・Jr、クリス・クーパー他

2006年アカデミー賞レースの時から、観たくてたまらなかった作品。大好きなF・S・ホフマンがオスカーを獲ったんですから、悪いわけないでしょう。
トルーマン・カポーティは「ティファニーで朝食を」「冷血」などで有名な実在したアメリカの小説家。村上春樹の小説の中でよく引喩されているし、春樹ファンならカポーティの作品を読んだ人も多いでしょう。カポーティは雑誌「ニューヨーカー」誌のスタッフを経て、17歳で処女作「遠い声、遠い部屋」を発表し、若き天才作家として注目を浴びる。容姿端麗、ファッションセンスのよさ、目立ちたがり屋精神で映画にも出演、華やかな社交界で注目の的であったが、実のところは、アル中、ヤク中による様々な奇行、著名人との同性愛による愛憎もつれ劇やでっち上げの訴訟など、常にゴシップ騒動を巻き起こしていた人物としても有名であった。
映画「カポーティ」では、カンザスの片田舎の村で起きた一家惨殺事件に執拗に興味を持ったカポーティが、自分の特権をフルに活用して捕らえられた犯人に接近し事件の真相に迫り、ノンフィクション・ノベルという新しいカテゴリーを生んだ名作「冷血」を執筆、発表するまでの過程を描いています。展開は殺人事件を追っていることもあり映像共に全体的に暗く静かですが、メッセージは強烈です。カポーティの人物像を知っていて観ると尚更ですが、知らない人でも背筋が凍りつくような「冷血」の正体を感じると思います。この鼻持ちならないカポーティを、実に、正直に、F・S・ホフマンは演じています。おデブの彼では、ちょっと・・・と思っていましたが、とんでもないことで、ホフマンにしか出来ない役ですよ。ぜひ、観てほしいなぁ。それから、もう1人、カポーティの幼馴染で女流作家(アラバマ物語の作者)のハーパー・リーがカポーティの世話役的役どころで出てきますが、この役をやっているキャサリン・キーナーも大変素晴らしいです。彼女は「マルコビッチの穴」「40歳の童貞男」・・など数々の個性的な映画に、またもや個性的な役で出てくる女優さんです。一時のジュリアン・ムーアのようですね。これからも楽しみです。
おすすめ度★★★★☆




ナチョ・リブレ 覆面の神様
2006年 アメリカ 92分
監督:ジャレッド・ヘス
主演:ジャック・ブラック、エクトル・ヒメネス、アナ・デ・ラ・レゲラ、リチャード・モントーヤ、他

アメリカに行った時に、バラエティ・ショップの店内のポスターで、飛んでるナチョを見かけたんです。
その時は、まさか映画だとか、まさかジャック・ブラックだとは全然思ってなくて、あまりにもヘンだったので、こんなプロレスラーいるんだぁ=(笑)って、友達に見せてあげようと思い、写メしたんだけど・・・、真相はこの映画だと知った時はビックリでした。
「スクール・オブ・ロック」でロック馬鹿を演じたジャック・ブラックが今度は“ルチャ・リブレ(メキシカン・プロレス)”馬鹿となって登場。メキシコで国民的人気を誇る“ルチャ・リブレ”。ルールお構いなしで何でもありの街角プロレスとして庶民に人気があるそうだが、実存する神父プロレスラーをモデルに、修道院に住む貧しい子どもたちの食費を稼ぐために、修道院で働くJ・Bがレスラーとなって活躍する、というモノ。一瞬、タイガーマスクのような感動モノと勘違いしやすいが、実のところは、何をやってもダメ男が自分を変えたくて大好きなプロレスで頑張ったらみんなもハッピーになった、という・・展開的には「スクール・オブ・ロック」とあまり変わりはない。後は、J・Bのギャグに笑える人は笑ってください。
おすすめ度★★☆☆☆





サンキュー・スモーキング
2006年 アメリカ 93分
監督:ジェイソン・ライトマン
主演:アーロン・エッカート、マリア・ベロ、アダム・ブロティ、サム・エリオット、ケイティ・ホームズ、他

これ、ディベーティング映画です。面白いですよ。
主人公はタバコ業界の宣伝・PR・広報マンのニック。全米中が禁煙を推進している中、得意の話術を武器に、日々マスコミと禁煙vs.喫煙の激戦を繰り広げている。上院議員がタバコのパッケージにドクロマークを記載するという法案成立を熱望している中、タバコ業界TOPからの命令で、全米で普通に広告が出せなくなったタバコを広めるためにハリウッドに飛ばされるニック、・・・・・ここで行われるのは、もちろんセレブによるプレイスメント~♪(笑) マルボロマンからの訴訟問題や、ちょっとした油断で裏情報がリークされたり・・・・、あー、いろんな業界表裏がごちゃ混ぜに絡み合い、そこに息子と父親の愛情ストーリーもブレンドされ、最後まで飽きないアップテンポな展開です。ニックの心許せる友というのが、銃製造業界のPRマンとアルコール業界のPRウーマンで、3人で「モッズ(死の商人Merchant Of Deathの頭文字をとった)特捜隊」を組んでいるのも笑えます。そして、この映画が最高にスマートだと思えるのは、ニックの話法も然ることながら、皮肉たっぷりのオープニング曲「Smoke,Somke,this Cigarette (タバコ吸って、吸って、死んじまえ)」とか、全編に渡って、喫煙シーンが一度も出てこないところです。ニック役のアーロン・エッカートは「ブラック・ダリア」ではなく、こちらの役でイキイキしていますよ。
おすすめ度★★★★☆




エコール
2004年 ベルギー/フランス 121分
監督:ルシール・アザリロヴィッグ
主演:ゾエ・オークレール、ベランジェール・オーベルージュ、リア・ブライダロリ、マリオン・コティヤール、他

エコールとはフランス語で”学校”のこと。深い森の中にある閉鎖的な学校“エコール”で暮らす幼い少女たちの生活と、外界への旅立ちを描いた美の寓話です。
“agnes bロリータ”が協賛していることからこの映画を知り、少女たちの園を覗いてみたくて観てみました。その日の劇場は、エコール応援団長(?)である、作家の嶽本野ばらのトーク・ショーがあったため、会場にはフリフリ、ロリロリ、コケティッシュなお嬢様や坊やで会場は賑わっており・・・いや、視覚的には賑わっていましたが、皆さん寡黙で大人しいんで、それはそれでちょっと異様な雰囲気ではあり、一粒で二度美味しい(笑)体験をさせていただきました。(野ばら先生は、ちょっとお疲れな様子でしたわね・・・)
さて、映画の話ですが、高い塀に囲まれ、外界と遮断された森の中の寄宿学校。ここには6歳から12歳の少女のみが暮らしている。学校にいる大人は、美しい2人の女性教師と宿舎の雑用(食事の支度)をする老女だけ。少女たちがどうやってこの学校に入るのか(入らされるのか)、この学校の目的が一体何なのかは、映画を最後まで見ても解りません。だいたい、少女たちは眠らされ、棺桶に入って学校に到着します。彼女たちは自ら望んで来た子たちではないことをオープニングから匂わせるんです。そうやって、謎めいた学校を謎めいた視点で描き、観客の心理を弄ぶのがこの作品。普通、この手の作品だと、最後まで見てガッカリした!とか、映像集であって映画ではない!なんて反応が返ってきそうだけど、この作品はちゃんと映画になっています。確かに謎は謎のままですが、最後のシーンの唐突な美しさに、なぜか納得してしまいます。(笑)
この作品は男女問わず“幼い少女が持つ、その一瞬の(女性の美しさを感じさせる)可憐さ”に、酔いしれる耽美的な、美しい映画です。酔ったもん勝ちですよ。
おすすめ度(一般的ではありませんが・・・)★★★★☆




プラダを着た悪魔
2006年 アメリカ 110分
監督:デヴィット・フランケル
主演:メリル・ストリープ、アン・ハサウェイ、エミリー・ブラント、スタンリー・トゥッチ、他

映画のオープニングと予告編で使われていた楽曲、KT・タンストールの“Suddenly I See“ が元気よくって好印象でした。主人公アンディはジャーナリスト志望の女の子。ファッションには興味がないのに、半ば腰掛け程度で志願した一流ファッション雑誌「ランウェイ」の面接に合格してしまい、編集長のアシスタント・ディレクターの仕事を手に入れるのだが、ON・OFFなしの24時間体制の悪夢の日々が待ち受けていたのだった。鬼編集長ミランダに逆らえる者は会社には誰一人いなく、仕事だけでなくプライベートな用事にも振り回され、自分のプライベートの時間がどんどんなくなり、友人や恋人との関係もギクシャクし始める・・・。
鬼編集長役のメリル・ストリープにはホント圧巻。この映画を唯一支えています。見るべきは彼女の演技。そんな彼女が編集長としての凄腕ぶりが物語で見られないこの脚本は一体なんなんでしょう。基本的にはガールズMovieであり、働く女の子応援映画ですが、本当に働いている人たちに敬意を払っていない一面も持ち、いささかキャリア組みからは反感を買いそうな作品です。やっぱ、働く女性って自分と同じように働く年下同性をシビアに見がちですよ・・、自分が通ってきた道だから・・。そんなこと関係なく、一流ブランドのオンパレードに眼を輝かせて元気がもらえる方にはお勧め作品です。
おすすめ度★★☆☆☆





007カジノ・ロワイヤル
2006年 アメリカ/イギリス 144分
監督:マーティン・キャンベル
主演:ダニエル・クレイグ、エヴァ・グリーン、マッツ・ミケルセン、ジュディ・デンチ、ジェフリー・ライト、他

映画館ではじめて007シリーズを観ました。
6代目ジェームズ・ボンドのダニエル・クレイグは、やぁ~、カッコイイですね・・・、ちょっとタイプです。(笑) おっさんイメージのボンドの若返りは成功ですよ。
仕事でちょっと携わったので、この作品は結構前から知っていたのですが、なかなか相手役の女性も決まらなくて難航していましたが、エヴァ・グリーンはキレイでしたよ。
007になる前のジェームズ・ボンド・・・、そこには、諜報部員としての規律よりも人間としてのパッションが強かった。いつもは、ひるむ事ないクールフェイスが売りだが、今回のボンドは悩むし、落ち込むし、哀しみを抱えます。そんな人間ボンドに出会えるんじゃないでしょうか。
007シリーズって、毎回スタントが凄いんですね。今回も前半すぐにはじまるアフリカでの追いかけっこは本当に凄かった。どこまで続くのか、観ながら、え~って声上げるようなノンストップ展開は、絶対映画館で観たほうが勝ち。これ見たらMi:3のトム・クルーズのスタントが“かくし芸大会”に見えちゃいます。これからは映画館で観よ~。
おすすめ度★★★☆☆





武士の一分
2006年 日本 121分
監督:山田洋次
主演:木村拓哉、檀れい、笹野高史、小林稔待、桃井かおり、坂東三津五郎(10代目)、他

キムタクさんが主役やりはりますと、なんでも大きなニュースになりますやな~。
・・と意味不明な方言ですが、そんな感じです、この映画。
山田洋次監督の藤沢周平時代劇映画化三部作の最終作として登場の作品だから、山田監督の想いを知るなら前2作も観ないと解らないのかもしれません。でも、逆にこの3作目を観て、前2作が気になった方も多いんじゃないでしょうかね。私も機会があれば観てみたいです。
この映画は、そんなに話題になるような映画じゃないと思いますよ。違う役者で大風呂敷掲げないで、こじんまりつくった方が、この作品の味がもっと出たんじゃないでしょうかね・・。
キムタクさんは良いにも悪いにもスターとしてのオーラがあるため、本人の意思とは関係なく、輝いてしまいますね・・。普通に歩くシーンでも、歩む歩道は掃き清められ、花びらなどを撒き散らされたり、カーペットを引いてもらった道をスポットライトをバンバン照らして歩いているイメージなんですよ、何を見ても。演技は頑張っていたと思いますが、こういうスターさんには抑える演技ではなく、感情を剥き出しにした役どころをつけてあげないと可哀相な気がします。
この作品の裏の主人公は、笹野高史氏演じる使用人さんです。ここをもっと取り上げると面白かったと思いますね。最後にこの作品の「武士の一分」ですが、少しちっちゃいなぁ・・と思います。
おすすめ度★★☆☆☆




硫黄島からの手紙
2006年 アメリカ 141分
監督:クリント・イースト・ウッド
主演:渡辺謙、二宮和也、伊原剛志、加瀬亮、中村獅童、裕木奈江、他

クリント・イーストウッド監督“硫黄島プロジェクト2部作”。
第1部「父親たちの星条旗」はアメリカ側からの物語。この作品では、硫黄島での戦いから英雄に祭り上げられ、国のために利用される米軍兵士たちの苦悩を描き、戦場の酷さではなく、むしろ「戦争をしなければ繁栄できないアメリカ」という国のシステムを呪う・・冷静な告発をしている映画に仕上がっています。そして、9日から公開になった2部作目の「硫黄島からの手紙」は、日本側の”硫黄島の戦い“を描いています。この2部作でC.イーストウッドは、この戦いの事実を描き、戦争の虚しさ、愚かさを露呈させています。1部ではアメリカ側の裏側の戦争を描いたのに対して、第2部はお国への忠義の名のもとに戦い散った日本軍の物語。日本人オールキャスト、全編日本語による初のハリウッド制作の日本映画です。
私自身、硫黄島の存在をよく知らなかったこともあり、私のような輩が少なくないことからも、この作品は映画化になったというだけでも大変異議のあることなんじゃないかな、と思います。最近、邦画でも戦争映画が血気盛んですが、日本の映画ではこのような描き方はまず出来なかったでしょう。容赦ない「戦争」を物語る戦火の迫力の規模が全然違うんだけど、それよりも、日本人がしてきた戦争をハリウッド映画で見ることのショックも大きいと思います。
しかし、この2部作はアメリカ人に向けた、アメリカ向けの作品です。ラストサムライやサユリのような”変なニッポン“こそ描かれていませんが、日本人として客観視できない部分も多々あります。そして、戦いの惨さを追うのが一杯で、あまり物語に深みがないのが悔やまれます。「星条旗」のほうがしっかりとした物語だったので、余計に悔やまれるところなんですが、物語が薄い分、見た観客の感想も戦争論に話がいってしまいがちです。日本のことが描かれている事もあり、日本人は客観視できない部分が非常に大きいです。ネットで書かれているレビューなどは危険な思い込みをしている人もいて、とても不安に思います。どう解釈するかは個人の勝手ですが、その解釈を押し付けるのは全然違います。もう一度ちゃんとこの作品を見て欲しいですね。イーストウッドの思いは、「手紙」の中にあります。アメリカ人も日本人も関係ない”正義”とは何かを是非感じ取ってください。
この「手紙」ですが、映画公開にあわせてフジテレビでも「硫黄島の郵便配達」というドラマが放送されました。ご覧になった方もいると思いますが、「手紙」を中心としたドラマでありながら、その描き方はテレビと映画では全然違います。ドラマと同じ「手紙」だと思って映画を見ると、あれ?ってことになりますので、ご注意を。
今、アメリカで主演俳優を含め、この作品の“賞取り”の声がニュースでも賑わっています。この2部作が作品賞の有力候補にもなっているのですが、この「硫黄島からの手紙」の公開は、日本よりもアメリカのほうが衝撃が大きいと思います。ぜひ、そのまま賑わっていて欲しいですね。
おすすめ度★★★★☆




エラゴン/意志を継ぐ者
2006年 アメリカ 104分
監督:シュテファン・ファンマイヤー
主演:エド・スペリアース、ジェレミー・アイアンズ、シエンナ・ギロリー、ロバート・カーライル、ジョン・マルコビッチ、他

「ハリポタ」、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに続く、FOXが力を入れているファンタジー作品。こちらは既に3部作の予定で動いています。この作品も仕事で携わっていたので、だいぶ前から知っていたので、見どころもよく解っていました。この「エラゴン」は原作が話題だったんです。17歳の男の子が自費出版で出したら全世界でベストセラーになっちゃった、ってことで。そんな筆者は現在22歳で、エラゴン・シリーズの3作目を執筆中。(2作目「エルデスト」は現在発売中。)興味ある方はぜひ、原作本読んでみてください。
さて、お話は、まだ世界が妖精と人間が共存して生きていた時代。平和だった世界が、邪悪な王の制覇と圧政により苦しい過酷な生活を強いられる帝国アラゲイシア。再び平和の世界に戻るには、邪悪な王に封印された伝説のドラゴンとドラゴンライダーの復活を待つのみ・・・。主人公は農民の息子、エラゴン少年。彼はある日、森の中に光る物体を見つけ持ち帰る。その物体こそがドラゴンの卵。その時から、彼の運命は自分が思ってもみなかった方向へ進んでいくのだった・・。
う~ん、日本では「ドラゴン・クエスト」を筆頭に、こういう話ってほとんどRPGゲームで体験済み、って言ってしまえば、それまでなんですけどね・・。それでも、敢えて言わせてもらえば、少年を導き、共に成長していくのが(師匠もいるんだけど)、ドラゴンという設定は面白いです。しかも、このドラゴンは女性で、主人公と会話をするんです。声の担当は「ナイロビの蜂」で好演していたレイチェル・ワイズ。(日本語吹き替え版は小雪) 母性ある温かい声で、主人公を守り、助けていきます。
物語は面白いんだけど、映画は、短時間でちょっと詰め込み過ぎています。たぶん、原作を読んだり、知ってる人じゃないと解らないんじゃないでしょうか?もうちょっと時間長くしてしっかり説明してほしかったなぁ。マルコビッチをはじめ、良い役者も出ていますからね。「ナルニア国物語」よりはこちらの第2作目を期待しちゃうかな・・・。
おすすめ度★★★☆☆





犬神家の一族
2006年 日本 135分
監督:市川昆
主演:石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助(5代目)、富司純子、松坂慶子、萬田久子、他

言わずもがな、横溝正史の名探偵“金田一耕助”シリーズの一作。1976年に監督をした市川昆、自らが再びメガホンを取ったリメイク版。76年度版上映の頃は、当時まだ子どもだった私はTVCMを観ただけで恐くて、TVで映ると目をつぶって両耳をふさいでいたことを思い出しました。(「悪魔が来たりて笛を吹く」「獄門島」・・など、この映画シリーズのCMは大嫌いでした・・)
その後、大きくなってから、76年度版はテレビかなんかでチラッと観た記憶があるのですが、たぶん最後まで見なかったと思います。なので、正真正銘、ちゃんと観たのは今回がはじめて。でも、そんな私でも思うのですから、往年作品のファンの方々は、がっかりしたんじゃないでしょうか・・。恐くないんですよ=、ちっとも。と、言うか、なんで今回リメークすることになったんですかね?
構成、カメラ割り、セリフ(ギャグ)までも・・ほとんど76年のまんまだそうです。(エンディングだけ違ったみたいですが・・・) 撮り方もテンポもそのまんま。違うのは演ずる俳優たちと、年取った金田一さんだけ。76年当時の特殊撮影ですっごく恐かった生首や惨殺死体など、(なぜか)敢えて今回、76年当時の特殊加工のままで再現し、恐いはずのシーンが、え・・・・っ何コレ?的結末を向かえてしまっています。また俳優陣(敢えて女優陣と言わせてもらいますが・・)の凄みは76年度版を越えることは出来ず、ヒロインの松嶋菜々子に至っては、もう少し若い女性なんですよ、設定は・・。その顔の迫力でも(子どもだったから)本当に恐かった高峰三枝子や岸田今日子には適わなかったようですね・・・。今回で頑張っていたのは富司純子ですが、どうもこの人の演技は全部同じに見えてしまいます。家柄のせいもあって由緒正しい背筋がピンと張ったお芝居をする人ですけど、「フラガール」での東北の肝っ玉母さん役、「愛の流刑地」での北陸の芯が強い母親役・・・とモチベーション全部同じなんじゃないかな・・って思っちゃいます・・。それから最後に、ひとつ。金田一さん、活躍しなさ過ぎです。(笑)
おすすめ度★★☆☆☆
by kanyukumari | 2007-01-17 18:49 | J-Cinema 06
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